第4回 発達障害の子どもとの接し方2 ~個別のケースへの対応方法~

424秒で読めます

424秒で読めます

落ち着きがない、お友達とトラブルばかり起こす、言葉がなかなか出てこない、など「もしかして発達障害かも」と感じるお子さんとどのように接したら良いのか、どんぐり発達クリニック院長の宮尾益知先生にうかがう5回シリーズ。
第4回となる今回は「発達障害の子どもとの接し方2 ~個別のケースへの対応方法~」についてご紹介します。

取材・文/野中真規子

PROFILE:
宮尾益知(みやお・ますとも)先生

医療法人社団益友会 どんぐり発達クリニック理事長。ギフテッド研究所理事長。徳島大学医学部卒業後、東京大学医学部小児科、ハーバード大学神経科研究員、独立行政法人国立成育医療センターこころの診療部発達心理科医長などを経て、2014年にどんぐり発達クリニックを開院。発達障害の分野での第一人者であり、関連著書も多数。近著は「子どものADHD早く気づいて親子がラクになる本」「ASD(アスペルガー症候群)、ADHD、LD 女性の発達障害: 女性の悩みと問題行動をサポートする本」(河出書房新社)など。
医療法人社団益友会 どんぐり発達クリニック
オーク発達アカデミー

前回に引き続き、テーマは「発達障害の子どもとの接し方」です。
今回は個別のケースに対する対応策をご紹介します。

さわられることを嫌う

触覚刺激が鋭いために、触られるとカッとなって乱暴なふるまいをする子がいます。
この場合はやさしくだきしめたり、豚毛の洋服ブラシなどやわらかいブラシで手や足をこすって、神経をなだめてあげましょう。軽い圧迫感を与えると落ち着きやすいため、手首にサポーターをつけてもいいですね。

落ち着きがない

騒音など刺激が多い環境から遠ざけたり、高ぶった神経を鎮めるためにぎゅっとだきしめてあげます。手や足をやさしくもんであげたり、やわらかいブラシでこすってあげるなどをくりかえすと、過敏性がおさまることもあります。

刺激に対して鈍感

この場合、自ら刺激を求めてあちこち動く多動になる子もいます。
朝から少し汗をかくような運動をさせるといいでしょう。散歩、ジャンプ、でんぐり返し、体操などもおすすめです。運動が苦手な子はできなくても注意せずほめて、続けることが大切です。

指示を理解しにくい

ADHDの子どもは情報が少ないほうが理解しやすくなります
「何時に出発だよ」「~して」などとシンプルに伝えましょう。「これ」「あそこ」などの表現は避け、物の名前や場所、回数を具体的に示すといいですね。
またADHDの子どもには行動前に声をかけるのが効果的ASDの子どもには行動しているときに声をかけると効果的です。

体の動きを真似しにくい

ASDの子どもは、向かい合った人の体の動きを真似するのが苦手です。
このため体操やダンスなどを教える際は、まず二人羽織の状態で教えます。その後は保育士さんが横に立って、前に鏡を置き、見ながら教えると理解しやすくなります。

相手の表情や状況を読み取りにくい

他の子どもと積極的に遊ばせて、友達づきあいのスキルを学んでもらいましょう。遊んでいるグループに連れて行って「『入れて』って言おうね」と促すと、その子は自分で言えるようになるでしょう。
怒りや喜びなどの感情を3段階で表し色づけした「気持ちシート」を使う効果的です。また関わりの中で、保育士さんや友達が「私はうれしいよ」「いっぱいいやなの!」など自分の気持ちを口で説明してあげることも大切です。

待つのが苦手

「こうすればもっとよいことがある」という動機があるとがんばれるので、待てたらごほうびをあたえるなどしてほめましょう。行動の後にうれしいことがあるとその行動は増え、うれしくないことがあると行動が減っていきます。

言葉を理解しにくい

トイレやエプロンなど、よく使う物や、喜怒哀楽の表情などの絵を描いたカードを用意しておくと、やりとりがしやすくなるでしょう。

突然叫ぶ、暴れる

ASDの子はささいな出来事でもトラウマになりやすい傾向があり、その出来事が頭の中にふと浮かんでパニックになることがあります。
慌てずに見守って、抱きしめてあげましょう

ルールが理解できない

ASDの子は予習をさせてから物事を進めるとスムーズにいくことが多くなります。たとえばイス取りゲームなどは、最初はルールを理解することができませんが、目でみて理解させたり、1回体験することで、ほとんどのことができるようになります。

自分の世界に入りがち

アニメの世界などに入り込んでいるなら、まずはその世界の中に保育士さんが入り、その中でちょっとずつ外の世界に出て行く道をつくります
最初はその子に合わせてセリフなどを言いますが、だんだんとその通りにはせず「ケーキじゃなくて給食を食べようか」など現実の世界のことを取り入れていきます。すると子どもはだんだんと現実を受け入れるようになるでしょう。
ひとりごとを繰り返すなら、保育士さんが隣で同じ言葉を隣で言うと、子どもは自分の世界に入り込まれたことがいやになり、その世界から距離を置くようになります。

最終回のテーマは「保護者との連携の仕方」です。
4/21(金)公開予定です♪

カテゴリを選択する