第1回 保育士の先輩後輩、同僚と上手にコミュニケーションする方法

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保育士の職場の悩みナンバー1は「人間関係」。上司や同僚、保護者、子どもなど、世代や立場の違うさまざまな人と上手にコミュニケーションをとるには、どうしたらよいのでしょうか。保育・子育てアドバイザーの松原美里先生にお話しをうかがう四回シリーズ、第一回は「先輩後輩、同僚と上手にコミュニケーションする方法」をご紹介します。

取材・文/野中真規子

PROFILE:
松原美里(まつばら・みさと)先生

保育園、児童養護施設で保育に携わる中で、保護者をサポートする必要性を感じ、退職。コーチング、心理学、NLPを学び、2007年よりウメハナリレーションズを設立。保育の視点を子育て支援に生かす講座や監修などを行う。2008年からは保育士向けコミュニケーション講座を主催。2011 年より認定こども園エクレス「エクレス子どもの家保育園」の施設長を兼任。現場での体験をもとに、コミュニケーション・コーチング・システム思考などを織り交ぜた研修を、保育士・施設長向けに行っている。また保育を通じて、地域が子どもに与える影響の大きさを痛感し、地元・網走の魅力を発信する市民活動「LOVEあばしり」を主催。年二回のワールドカフェや、網走と東京をつなぐ流氷ツアーの主催なども行っている。
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コミュニケーション上手な人は、相手の性格や、その時の心の状態などを察しながら接していくことができます。
誰でも経験を積み重ねることで、コミュニケーションが上手になっていきます。一度身につければ、今後の仕事や人生でもきっと役立つことがありますよ。

暗黙のルールを守ることで、先輩から好かれる

若い保育士さんは、ベテランの先輩との関係に悩むこともあるかもしれませんね。「挨拶をしっかりする」「お世話になったらお礼をいう」などは人間関係の基本です。
また園によっては、さらに「目上を立てる」「言わなくても察する」といった暗黙のルールがあることも。
こうした暗黙のルールを感じたら、ぜひ守るようにしましょう。ルールを無視して、仲のよい同僚にだけ挨拶したり、先輩に敬語を使わないなどの態度をとっていると「分かっていない」と言われてしまいます。
職場にいる一人ひとりに挨拶をし、具気になる人には「顔色悪いですね。体調は大丈夫ですか?」などと声をかけてあげるのもいいですね。その上で、仕事をフォローするなどの気遣いができる人は、周囲に好かれるでしょう。

仕事は見て覚える努力をし、わからないことは質問を

40代、50代の先輩は、仕事を教わらず、自分で見て覚えてきた人が多いものです。このため後輩に仕事を教えるときも「見て覚えて」「自分で考えなさい」と言うこともあるでしょう。
わからないときはそのままにせず、相手に余裕があるときに、自分から質問しましょう。一度教えてもらったことは言われなくても自分でやることです。また先輩たちの仕事をよく観察して、自分から仕事を覚えようという姿勢でいることも大切です。

叱られたときこそ、成長へのステップ

先輩から叱られたときは、反発したり、必要以上に自分を責めたりせず、成長へのステップだと考えましょう。そもそも人を叱るというのは、大変なエネルギーを必要とすること。先輩が叱ってくれるのは、愛情があるからこそです。叱られたらまず「ご指導ありがとうございます」とお礼を言い、次の行動に生かしましょう。もし悪意を感じても、そこは真に受けず、受け流す努力をしましょう。

後輩保育士の態度にイラッとしたときは?

ベテラン保育士さんの中には、「後輩を厳しく指導したいけれど、やめられると困る」と悩んでいる人もいるかもしれませんね。
まず、若い世代は自分たちと比べて人生経験が少なく、育ってきた時代背景も違うということを理解してください。自分で考えたり予測したりするのが苦手な後輩に対して「普通はわかるよね?」で片づけてしまえば、ただ反発されるだけで、成長させることはできません。子どもに対するのと同じように、なるべく言葉にして教えてあげましょう。

アドバイスするときは、人格を否定しないこと

若い世代は叱られると、自分の人格が否定されたと思いこむ傾向もみられます。アドバイスする際には「あなたのことが嫌いで言っているんじゃないんだよ。敬語を使わないと、保護者からの心証が悪くなるので気をつけてね」などとフォローを交えて話してあげるといいでしょう。きちんとやっていることに対してはほめてあげることも忘れずに。
挨拶やお礼などの人間関係の基本は、子どもたちに伝えたいことでもあります。ぜひ後輩にも教えてあげてください。

同僚からなめられないためのちょっとしたコツ

同僚からなめられやすい人は、あえて敬語を使いましょう。敬語は相手を大事にする言葉であるとともに、相手との間に境界線を引く効果も。敬語を使って毅然とした態度で接するうちに「この人は尊重しなければならない」という雰囲気を出すことができます。
また誰にどう扱われようと、自分は自分を大切にする、という覚悟を持つことも大切です。人からなめられたからといっておろおろするのではなく、気にしない姿勢を貫くこと。その上で「その言い方は私に対して失礼ですよ」「不快です」「相手が不快になる物言いや態度はお控えになった方がよろしいかと思います」などと、毅然とした態度で指導を入れるようにすると、相手に受け入れられやすくなります。

人間関係のトラブルは、自分と向き合うチャンス

「人間関係がうまくいかなければ、転職すればいい」と考えていませんか。しかし転職先でも同じ悩みを抱えることがあるかもしれません。また転職回数が多すぎると、就職活動で不利になることも多いのです。
コミュニケーションがしんどいときは「自分はきちんとやっているのに」「自分だけが我慢している」など、自分のことばかり考えると余計に辛くなります。
実は相手のいやな部分は、自分と重なる部分であることも多いのです。
時間はかかりますが、自分と向き合い、過去に我慢してきたことや、親や先生などに「こうして欲しかった」と感じた気持ちを受け止めて、自分で自分の心を癒してあげましょう。すると相手のいやなところも気にならなくなります。
転職する際は、必ず見学や1日体験に参加しましょう。仕事中はもちろん、休憩時間の雰囲気なども見た上で、自分に合いそうな園を受けることをおすすめします。

次回は、第2回「保護者と上手にコミュニケーションする方法」をご紹介します!
5月12日(金)予定です。

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