<具体例付き>第4回 保育士・面接に成功する質問への答え方

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面接は、あなたの人柄や保育士としての強みを知ってもらうための貴重な機会。しっかりと自己PRしたいですね。
そこで、面接で好印象を与えるための、服装やメイクなどの見た目から話し方、話す内容の組み立て方までを、保育・子育てアドバイザーであり、保育園の施設長も務めていた松原美里先生に教えていただきました。
四回シリーズの最終回となる今回は「面接に成功する質問への答え方」をご紹介します。

取材・文:野中 真規子

PROFILE:
松原美里(まつばら・みさと)先生

保育園、児童養護施設で保育に携わる中で、保護者をサポートする重要性を感じ、退職。コーチング、心理学、NLPを学び、2007年よりウメハナリレーションズを設立。保育の視点を子育て支援に生かす講座や監修などを行う。2008年からは保育士向けコミュニケーション講座を主催。2011 年より認定こども園エクレス「エクレス子どもの家保育園」の施設長を兼任。現場での体験をもとに、新人継続支援・後輩育成・マネンジメント・リーダー育成などの研修を、保育士・施設長向けに行っている。また保育を通じて、地域が子どもに与える影響の大きさを痛感し、地元・網走の魅力を発信する市民活動「LOVEあばしり」を主催。年二回のワールドカフェや、網走と東京をつなぐ流氷ツアーの主催なども行っている。

ウメハナリレーションズ http://umehanarelations.com/

面接では、前回ご紹介した自己PRのほか、園からの質問にしっかり答えられることも大切です。
よく質問されがちな内容について、自分なりの答えを準備しておきましょう。

ありがちな質問1「なぜ保育士になりたいと思ったのですか」

この質問には、前回ご紹介した自己PRとは別の切り口からあなたの人柄が伝わるように答えるといいですよ。あなたのいろいろな面が見えて、魅力が伝わりやすくなります。実際にあったエピソードを添えながら、保育士としての持ち味や特技をさりげなく伝えましょう。
その上で、保育の仕事でやりたいことを伝えるといいですね。
一例をご紹介しましょう。

面接官「なぜ保育士になりたいと思ったのですか」

ファイン子:私は昔から小さい子と関わることが好きでした。短大時代には、特技のジャズダンスを子どもたちに教えるボランティアもしましたが、子どもたちにちょっとした動きのコツを教えることで、どんどん上手になっていくのを見て、とてもやりがいを感じました。この経験から、子どもたちに体を動かす喜びを伝えたいと思いました。また短大で保育を学んだことで、子どもの心と体の発達についても興味を持ち、ダンスを指導した経験が活かせると思い、保育士を目指すことにいたしました。

この答え方では、
・「昔から小さい子と関わることが好きだった」「子どもにダンスを教え、やりがいを感じた」「保育を学び、子どもの心を体の発達にも興味を持った」という内容から、保育士として自分を生かせるのではないかと感じたことがわかります
また、
・保育士の仕事で、ダンスを指導した経験を活かせると感じている。
といった内容から、保育の仕事でやりたいことについても伝わってきますね。

次にNGな答え方としては、
「子どもが大好きだからです」といった漠然とした回答もありがちですが、これではその人の魅力が伝わりません。
具体的なエピソードを添えて、あなたの魅力が伝わるように話を組み立てておきましょう。

ありがちな質問2「この園を志望したのはなぜですか?」

この質問の答えとしては、その園に可能性を感じた背景や自分の心が動いた理由などをありありと伝えると喜ばれます。
他の園ではなく、その園を選んだ理由が盛り込まれていることがポイントです。

一例をみてみましょう。

面接官「この園を志望したのはなぜですか?」

ファイン子:「ファイン保育園さんでは、体操の時間を設けたり、泥んこ遊びをあたたかく見守るなど、子どもたちの外遊びや運動の時間をとても大切にされているとうかがいました。実際、見学のときに、園庭で遊ぶ子どもたちの姿を拝見しましたが、みんないきいきとしていて本当に楽しそうでした。ぜひファイン保育園さんで子どもたちと関わったり、ダンスや指導をしながら、体を動かす喜びや、友達と共感する喜び、分かち合う心の豊かさを伝えていきたいです」

この答え方では、
・「園が子どもの外遊びや運動の時間を大切にしていることについて、心が動いた」「実際に子どもたちたいきいきとしていて楽しそうだと感じた」ことから、自分の心が動いたことがわかります。
・また「自分のダンス指導の経験を活かせる場所だと感じた」ことから、他の園ではなく、この園を選ぶ理由がわかります。

NGな例として
「自分に合っていると思ったからです。これまでの経験も活かせると思いました」などざっくりした答え方では「なぜそう思ったのか」「どこが自分に合っているのか」といったことが伝わらず、面接官の心に残りにくいかもしれません。
大事なのは、面接官に、自分が一緒に働いたときの風景をイメージしてもらえるように話すことです。

ありがちな質問3「なぜ前の保育園をやめたのですか?」

転職の場合、前職をやめた理由を聞かせることも多いでしょう。
ポイントは、前園の批判をせず『自分ごと』として自分が乗り越えてきた課題を伝えることです。

一例をご紹介します。

面接官「転職経験があるようですが、なぜ前の保育園をやめたのですか?」

ファイン子:「憧れの園だったので、通勤時間がかかるのも気にせず選んでしまいました。実際に働き始めると、持ち帰りの仕事も多く、体調が戻らなくなってしまいました。少し時間をおいたことで、体調が万全になったので、また保育のお仕事をしたいと考えました。こんなに近くに、子どもの自主性を大切に良い保育をされている保育園を見つけたので、ぜひファイン保育園さんで働かせていただきたいと思いました」

この答え方では、
・「通勤時間がかかるのを気にせず選んでしまった」「体調が戻らなくなった」という内容から、退職原因を園のせいにせず、自主的な理由であったことが伝わります。また、
・「近くに理想的な保育園が見つかった」といった内容から、前の園での失敗経験をふまえて近くの保育園を見つけたことがわかり、前向きな姿勢が伝わるでしょう。

NGな例としては
「前の園は意地悪な先生が多く、人間関係が悪いため辞める人も多く、万年人手不足でした。そんな中での残業や、持ち帰りの仕事が多すぎたせいで、体調を崩してしまったからです」。
この答え方では、退職理由とからめて前園の悪口を言い、自分を守ろうとしています。面接官からは「うちの園で働いても、また園のせいにして辞めてしまうのではないか」と思われてしまうかもしれません。

誰も傷つけることなく、保育者としてのあなたの仕事への真摯な態度が伝わることが大切です。

以上でこのシリーズは終了です。お読みいただきありがとうございました。

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