保育の書類のコツ・第4回 おたよりの書き方

648秒で読めます

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保育の仕事をするうえで、結構多いのが、書く仕事。指導計画書やお便り、連絡帳、メールなどの書き方は、保育実習や試験勉強では習わないこともあり、書くたびに悩んでしまう人も多いのではないでしょうか。
上手に書くポイントについて、学校講師として保育士養成指導や現役保育士のサポートを務めている木梨美奈子先生に伺いました。
6回シリーズの第4回は「おたよりの書き方のポイント」がテーマです。

木梨美奈子(きなし・みなこ)先生

LEC東京リーガルマインド講師。
東京福祉専門学校、東京福祉大学でも講師をおこなう。東京音楽大学声楽家を卒業後、保育士養成分野では音楽理論、音楽実技を指導。その後慶應義塾大学法学部を卒業し、大手資格スクールにて保育士国家試験科目における法令関連の科目を担当する。
平成12年には自らも保育士国家試験に合格し、現在は全科目試験対策講座を担当。また大学や専門学校などの保育士専門学科で広く指導しているほか、現役保育士のサポートにも尽力している。
著書に「保育で使える文章の教科書」「保育士・幼稚園教諭採用試験 面接試験攻略法」「保育士の専門常識・基礎知識」(すべてつちや書店)がある。

LEC東京リーガルマインド http://www.lec-jp.com/hoikushi/

おたよりについての基本的な考え方

おたよりは、クラス全員の保護者や子どもたちに情報発信をしたいときに書くものです。
子どもたちの様子や大切なお知らせ、保育のねらいなどをわかりやすく伝えることが大切です。

おたよりに子どもの様子を書く場合は、集団における子どもの姿を伝えましょう。全体の様子を見渡してみると、どの子どもにも共通する成長が見られるはずです。それを書くといいでしょう。

結果だけではなく、そのようになるまでの経過も伝えることが大切です。「〜できました」という結果につながるまでに、どんなことがあったかも書き添えましょう。

0〜1歳のうちは言葉を話せないので、態度や表情から保育士が気持ちを読み取って、代弁してあげます。
3歳以降は友達との関わりが増えるので、友達とのやりとりを、具体的なエピソードでで伝えるといいでしょう。

行事の報告や保護者への協力のお願い・お礼などを伝える場合は、保護者の記憶が薄れないうちに、行事後1週間以内に発行しましょう。

あらかじめ、書くべき内容の順番を決めておく

書く内容に迷ってしまうこともあると思います。
書き出しは「季節の話題から」などと固定しておくと、書きやすくなるでしょう。その後も、子どもの園での様子→保育士の感想→保護者に伝えたいこと、といった流れを決めておけば、それにならって内容を考えればよいので、書きやすくなります。この流れで書くなら、たとえば・・・

「冬も本番になり、外遊びでは体を動かすことを大切にしています。おにごっこやボール遊びを楽しんだり、強い風が吹いても、笑い転げたりする子どもたちの楽しい様子が、寒さを忘れさせてくれます。
寒さも厳しくなる季節ですので、園でも防寒対策を徹底してまいります。ご家庭でもお子さんの体調管理へのご協力をお願いします」

といった感じにまとめることができます。

保護者は、普段見ることができない、子どもの園での様子を知りたがっているものです。保護者に情報を提供することで、連携が生まれやすくなるでしょう。

保護者にお願いごとをする場合は「お願いします」と直接的な依頼だと、押し付けがましく感じてしまう人もいるので「〜していますか?」「〜するとよさそうです」など提案する形で書いた方が、伝わりやすいでしょう。それをすることによる、具体的なメリットも書いておくと、協力してもらいやすくなります。「防寒着を用意していただくと、散歩中も寒さを防げるのでよさそうです」といった具合です。

なお、おたよりは、「あいさつができるようになる」「朝の支度を自分でできるようになる」などの、保育のねらいを伝える役割もあります。
押し付けがましくならないよう、日常のエピソードから伝えるといいでしょう。文章で伝える場合は、たとえば・・・

「今月の目標は『お片づけをしっかりする』です。どこにしまうか迷ってしまうお子さんもいますが、子ども立ち同士で教えあって、実践しています。
片付けたあとのお部屋をみて、「気持ちいね!」とみんなで言っています」

などと書くといいですね。
またねらいを今月の目標として、箇条書きにすることもおすすめです。箇条書きにすれば、保護者だけでなく子どもにも伝わりやすくなります。たとえば・・・

今月の目標
・遊んだあとはおもちゃを片付けよう
・お昼ご飯やおやつの前にも片付けをしよう

といった感じです。

レイアウトは、保護者の視線の流れを意識して、固定するとよい

おたよりのレイアウトは、行事バージョン、毎月バージョンなど、あらかじめ内容に合わせたフォーマットを決めておくと、楽に制作できます。

おたよりにのせるコーナーは3つまで、など、自分なりのルールを決めて、掲載する内容をしぼるとすっきり見せられるでしょう。

レイアウトは、読む人の視線の流れを意識すると、内容が伝わりやすくなります。
横長のおたよりなら、用紙を半分に分けて左から右へ読む流れを意識します。縦長のおたよりは、左から右へと読みな進めながら、視線が下に進むことを意識しましょう。

読みやすいよう、文字は大きめにし、1行の文字数は少なめに。毎回掲載するコーナーの位置は固定しましょう。
それぞれの内容に見出しをつけて、ひと目で何がいいたいかわかるようにすることが大切です。

冒頭の文章は、季節の話題や園・クラスの現状など、保護者全員を対象にした内容にし、見出しは「子どもたちの成長にびっくり!」「風邪に注意!」など読みたくなる内容にします。

お知らせコーナーは左端などわかりやすい位置に配置し、囲みの中には文字をつめすぎないようにします。

イラストはワンポイント程度にし、多用しすぎなほうが読みやすくなります。

また「今月の生まれのお友達」など、子ども個人を紹介するコーナーを設けると、保護者は興味をもっておたよりを読んでくれます。

すぐに使える! おたよりの文例集

卒園式のおたより

「今年もあと1ヶ月。街はすっかりクリスマスムードですね。子どもたちの間ではサンタさんの話題でもちきりです!『プレゼントは何かな』とわくわくしている子どもたちと一緒に、1年を笑顔でしめくくれるよう、みんなを見守っていきます。」

卒園式のおたより

「●月●日は、いよいよ卒園式です。入園当初はヨチヨチ歩きだったみんなも、友達と協力し合える立派なお兄さん、お姉さんになりました。4月からは、小学生の仲間入り。園での思い出を大切に、毎日元気に登校してくださいね。」

病気と予防に関するおたより

「風邪を予防するために、手洗いやうがいをしっかりおこないましょう。バランスのとれた食事をとることや、規則正しい生活を送ることも大切です。睡眠をしっかりとり、ウイルスに負けない強い体をつくりましょう。」

体調管理に関するおたより

「●日は健康診断の日です。身長体重の測定のほか、内科検診、歯科検診を実施します。
当日は脱ぎ着のしやすい衣服にしていただけると助かります。また名前が書いてあると、衣服が迷子になるのを防げます。」

次回は「メール・ブログの書き方のポイント」をご紹介します!をご紹介します!

著書紹介

木梨先生の著書「保育で使える文章の教科書(つちや書店・税込2,376円)」は、指導計画書、連絡帳、おたより、メールの書き方など、保育士さんの書類仕事のコツや文例がたくさん掲載されています。文章が苦手な保育士さんの強い味方!手元に1冊あると便利です☆
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