保育の書類のコツ・第6回 保育現場で文章を上手に書くためのポイント

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保育の仕事をするうえで、結構多いのが、書く仕事。指導計画書やお便り、連絡帳、メールなどの書き方は、保育実習や試験勉強では習わないこともあり、書くたびに悩んでしまう人も多いのではないでしょうか。
上手に書くポイントについて、学校講師として保育士養成指導や現役保育士のサポートを務めている木梨美奈子先生に伺いました。
6回シリーズの最終回は「保育現場で文章を上手に書くためのポイント」がテーマです。

木梨美奈子(きなし・みなこ)先生

LEC東京リーガルマインド講師。
東京福祉専門学校、東京福祉大学でも講師をおこなう。東京音楽大学声楽家を卒業後、保育士養成分野では音楽理論、音楽実技を指導。その後慶應義塾大学法学部を卒業し、大手資格スクールにて保育士国家試験科目における法令関連の科目を担当する。
平成12年には自らも保育士国家試験に合格し、現在は全科目試験対策講座を担当。また大学や専門学校などの保育士専門学科で広く指導しているほか、現役保育士のサポートにも尽力している。
著書に「保育で使える文章の教科書」「保育士・幼稚園教諭採用試験 面接試験攻略法」「保育士の専門常識・基礎知識」(すべてつちや書店)がある。

LEC東京リーガルマインド http://www.lec-jp.com/hoikushi/

よく観察し、メモをとるクセをつけておこう

書くときに、何を書こうか迷ってしまうとなかなか書き始めることができません。保育の現場でスムーズに文章を書くためには、書くべきネタを集めておくことが大切です。
書くべきことの多くは、保育現場の日常にありますので、子どもたちの様子をよく観察しましょう。ささいな言動や変化を見逃さないようにしているうちに、書きたいことがきっと見つかります。

書きたいことが見つかったら、メモを取っておくといいでしょう。子どもの言動をすべてメモする必要はありません。大きく心を動かされたことだけをメモしたり「今日はこの部分に絞って観察しよう」と決めてもいいですね。

メモを参考にしながら、書きたいテーマを絞っていく

メモを見ながら、書くことを決めます。メモがたくさんある場合には、絶対に書きたいと思うエピソードに絞って書くといいでしょう。反対にメモが少ない場合には、ひとつのエピソードの詳細を思い出して、具体的に書くといいですね。

3つの構成に分けて、文章を書いていく

多くの文章は、書く内容を簡単に説明する「書き出し」、くわしいエピソードを書く「メイン」、まとめの文章である「書き終わり」の3つで構成されています。文例などを参考にしながら、3つに内容を分けて書いてみましょう。

書き終わったら、わかりにくい部分はないか、自分勝手な解釈をしていないかなど、自分以外の人に読まれることを意識して見直してみます。上司や同僚に読んでもらうのもいいでしょう。

文例などをまねしているうちに、文章力がアップ!

文章力はすぐ身につくものではないので、まずは文例などをまねして練習するといいでしょう。前回までにもご紹介した文例をそのまま書き写しているうちに、伝わりやすい文章の流れやリズムが理解できるようになるはずです。ただし、同じ読み手に対していつも同じ文例を使わないように注意してください。

文例の書き写しに慣れてきたら、自分なりのアレンジを加えます。季節感を変える、運動会の文例をおゆうぎ会の内容に変えるなど、ちょっとした工夫で文章にオリジナリティが生まれます。
たとえば第四回でご紹介した、お便りの文例を季節に合わせてアレンジしてみましょう。

(文例)

「冬も本番になり、外遊びでは体を動かすことを大切にしています。おにごっこやボール遊びを楽しんだり、強い風が吹いても、笑い転げたりする子どもたちの楽しい様子が、寒さを忘れさせてくれます。
寒さも厳しくなる季節ですので、園でも防寒対策を徹底してまいります。ご家庭でもお子さんの体調管理へのご協力をお願いします」


(アレンジ)

夏も本番になり、園ではプール遊びや水鉄砲などの水遊びを始めました。おそるおそる水に顔をつけたり、お友達と水を掛け合って笑い転げたりする子どもたちの楽しい様子が、暑さを忘れさせてくれます。
暑さも厳しくなる季節ですので、園でもシャワーや汗拭きを徹底してまいります。ご家庭でもお子さんの体調管理へのご協力をお願いします」

こうして文例のまねをしたり、アレンジをしながら書いていくうちに「もっとこうしたら伝わりやすいはず」といったアイデアが生まれてくるでしょう。そこを自分なりに工夫して書くことで、自分らしい文章のパターンができていきます。

保育士にとって、書くことの意義とは?

保育士が書くことの意義は2つあり、1つめは子どもの発達をとらえること。そして2つめは、保育士の保育技術を高めることです。

1つめの、子どもの発達をとらえることについて。園の役割のうちで重要なもののひとつが、子どもの発達の援助をすることです。保育士がこの発達を把握し、保護者に的確に伝えるために、お便りや連絡帳といったものがあります。

2つめの、保育士の保育技術を高めることについて。指導計画書は、保育の計画を書いて、実行し、その後見直して改善につなげていくことで、よりよい保育を実施できるようになるでしょう。

保育士にとって、書くことはなくてはならない作業です。毎日書いていくうちに必ず慣れて、自分なりの文章が書けるようになりますので、苦手意識を持たずにどんどん書いてみましょう。

今回でこのシリーズは終了です。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

著書紹介

木梨先生の著書「保育で使える文章の教科書(つちや書店・税込2,376円)」は、指導計画書、連絡帳、おたより、メールの書き方など、保育士さんの書類仕事のコツや文例がたくさん掲載されています。文章が苦手な保育士さんの強い味方!手元に1冊あると便利です☆
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