子どもの味覚の育て方④ 保育士さんのお悩み別・食べさせ方のポイント

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人の味覚や、食べることが楽しいと思えるかどうかは、離乳期や幼児期に何をどんなふうに食べてきたかで大きく変わります。
子どもたちの味覚の感受性を高め、食事がおいしく楽しいものであると感じさせてあげるためには、園での食生活も大切なポイントになるでしょう。
人気フードアナリストのとけいじ千絵先生に、給食作りや食べさせ方、食育などについてアドバイスを伺いました。

取材・文/野中真規子

PROFILE:
とけいじ千絵(とけいじ・ちえ)先生

「審食美眼(食に対する審美眼)を磨き、彩りある食生活を」をモットーに、『審食美眼塾』を主宰するフードアナリスト。企業の商品開発、飲食店のコンサル業務を経て、「味覚」に特化した食育に取り組む。現在は講師、フードライターとして日本経済新聞、日経DUAL等各種メディアで活躍中。とくに、離乳期から味覚を育てることを目的とした講座は、募集開始から数分で毎回満席になるほど、予約のとれない講座として大盛況を呈している。全国フランチの会副会長、ジャパンフードセレクション審査員。
著書に「0~5歳 子どもの味覚の育て方」(日東書院・1,300円+税)がある。

子どもが遊び食べをしてしまう場合は?

離乳期は、いろいろな味を経験させてあげることが大切です。
お腹がいっぱいなのに食べさせようとしたり、食べたくないのに完食させることを目指そうとすると、子どもは飽きてしまい、遊び食べになってしまうでしょう。

とくに離乳初期は栄養のほとんどを母乳やミルクからとりますし、中期でも食事からとる栄養は半分程度。ですから完食にこだわらなくても大丈夫です。食べるのに時間がかかりすぎるようなら、椅子から降ろしたり、食器を下げて食事を終了するなどメリハリをつけてください。

幼児期になると、甘えの表現としての遊び食べが出てきますが、これは受け止めないと、甘えという愛情表現を拒絶してしまうことになります。ある程度受け止めてあげたほうがいいので、この時期はあまり厳しくしないほうがいいでしょう。
ただし、幼児期も後期になると「嫌いだけど頑張って食べてみよう」「苦手だけど、強くなりたいからあと1口食べよう」などの矛盾を受け入れられるようにもなってきます。とくに家庭と違い、保育園には先生や友達がいるので、子ども自身もがんばろうと思える状況にあります。子どもが苦痛にならない程度に、保育士さんが声掛けをして、食べさせてみることも大切です。
完食できたら「ぴかぴかで気持ちいいね」などとほめてあげましょう。

ちなみに、給食を完食できなくても、おやつの時間になったら、他の子と同じようにおやつをあげてオッケーです。「完食しないとおやつはあげない」といった交換条件は、食事へのトラウマになり、食事にネガティブなイメージを持つ原因になってしまうので、やめましょう。

少食の子どもがいて心配なときは?

少食の子には、三角食べを教えることが大切です。幼児期に教えておかないと、1皿ずつ食べるクセがついてしまい、小学校の給食などで時間内に食べ終えることができず、栄養が偏ってしまうこともあります。

食べさせるには、食材のゆで方や切り方を工夫して食感を変えたり、味付けを変えるといった、調理の工夫も大切ですが、食事中の楽しい雰囲気づくりもとっても重要です。
食べているときに「このスープに入っている野菜は何?」「かむとどんな音がする?」などと声をかけて、食べられたらぜひほめてあげてください。

お代わりなど食べ過ぎる子どもは、そのままにしていいの?

3歳までは満腹中枢が完成していないので、子どもによってはびっくりするほど食べる場合もあります。

カウプ指数(満3ヶ月から5歳までの乳幼児の発達状態を知る目安)が気にならないならば、お代わりはさせていいでしょう。ただし、お代わりする場合は全部を食べてから、しかも1つのおかずだけをお代わりするのでなく、全部を少しずつ盛ってあげるようにしましょう。1つのおかずだけをお代わりさせていると、好き嫌いを助長することになってしまうからです。

食事をよくかまない子どもへの対処法は?

特によく食べる子どもに食事をよくかまない傾向がみられるのですが時計をうまく使って対処する方法があります。

子どもの見えるところに時計を置いておき「何時何分になったら(針がここまできたら)お代わりしていいよ」とルールを決めるのです。すると、目の前にある食べものがなくなるのがいやで、子どもはゆっくり食べるようになるので、よくかむようにもなります。
数が数えられる子どもには「あと10回かんだらお代わりしていいよ」などと回数を伝えるのもいいでしょう。

3歳になると、第二乳臼歯が生えてきますが、そのタイミングで、食事をかむ回数はある程度決まり、大人になってもその回数が続きます。
よくかまずに育った人は、食べ物が口の中でどろどろになることに慣れておらず、そうなる前に飲み込んでしまいがちです。早いうちからよくかむことに慣らしてあげましょう。

次回は「おやつと食育のポイント」についてご紹介します。

著書紹介

「0~5歳 子どもの味覚の育て方」
(日東書院・1,300円+税)
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