求人票の見方② 勤務時間、残業、休日について【保育士・幼稚園教諭の場合】

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票が正しく読めれば、良心的な園か、はたまたブラック園か、ある程度見分けがつくようになります。
なぜなら求人票には、その園の経営状態やスタッフの数が足りているかどうか、そして園長さんの性格までもが滲み出るものだからです。
求人票の給料の額だけ見ていては、思わぬ落とし穴にはまってしまうかも。
「こんなはずじゃなかった・・・(涙)」という残念な就職・転職をしないために、保育士さんや幼稚園教諭さんの場合、求人票のどこをチェックしたらいいか、ポイントをまとめてみました。

文/逸村弘美

<勤務時間>保育業界に多い「シフト制」「変形労働時間制」って?

労働基準法では、1日の労働時間は8時間、週40時間以内と定められています。6時間以上働く場合は45分の休憩、8時間以上働く場合は1時間以上の休憩が必要です。

保育園や幼稚園に多い勤務スタイルは「固定時間制」「シフト制」「変形労働時間制」の3つです。
「固定時間制」とは、毎日あるいは曜日等によって、○時〜○時と勤務時間が固定で決まっているスタイル。
「シフト制」とは、組織の都合や自分の都合により、出勤日や勤務時間が変わるスタイル。組織によっては、毎月希望のシフトを出せるところもあります。
「変形労働時間制」とは、1週間、1カ月、あるいは1年の労働時間が、平均週40時間を超えない範囲であれば、1日の勤務時間や休みが変則でも良いとするスタイル。忙しさの緩急が大きい組織にとっては運営しやすい形といわれています。
最近は1日10時間働いて週3日休むというスタイルも出てきています。

<残業>雇用契約書に残業についてちゃんと書いてあるかが大事!

雇用契約書等で決められた時間以上に働くことを「時間外労働」といいます。残業のことですね。
例えば雇用契約等が8時間であれば、8時間を超えた分が残業になります。
もし雇用契約等が10時間であれば、8時間を超えても10時間までは「みなし残業・固定残業」となり、残業代が発生しません。
しかし、この場合は雇用契約書等に「基本給に○時間の残業手当を含む」等の明記が必要です。記述がない場合は違法なので、確認しましょう。

労働基準法で時間外労働は1カ月に45時間、1年で360時間を超えてはならないとされています。

残業代は通常は「残業手当」として支払われます。残業手当が「○時間までは一律」の固定金額なのか、残業した時間で計算されるのかは、組織によるので確認してください。
ちなみに固定の残業手当も、規定の○時間以上働いたら、法的には超過分は別途支払わなければならないことになっています。

「時間外労働」の賃金の計算法も労働基準法で決められていて、通常賃金の25%以上増しです。例えば通常時給1,000円なら時間外の時給は1,250円以上になります。

「法定休日(曜日にかかわらず週に1日、あるいは月に4日。日曜に設定されていることが多い)出勤」の場合は、通常の35%以上増。ただし、事前に振替休日が決まっている場合はあてはまりません。

「深夜労働(午後10時〜翌日午前5時)」は、通常の25%以上増

割り増しがダブルになる場合もあります。
通常時給1,000円で「時間外が深夜に及んだ場合」は、時間外25%+深夜25%で50%増の時給1,500円。
「法定休日出勤で労働が深夜に及んだ場合」は休日35%+深夜25%で60%増の時給1,600円(時間外の割り増しは入りません)。
「法定外休日(週2休制の場合、土曜に設定されていることが多い)出勤で労働が深夜に及んだ場合」は、時間外25%+深夜25%で50%増。法定外なので休日出勤割り増しはありません。またこちらも事前に振替休日が決まっている場合はあてはまりません。
「法定外休日出勤で、かつ振替休日がなく月〜金で40時間を超えている場合(変則労働時間制はのぞく)」、1日すべての時間が時間外労働となり25%増+午後10時以降は深夜25%増の計算になるのが妥当です。

求人票に「残業少なめ」の表記があっても、組織によって基準がそれぞれ違います。保育業界では「残業はあって当たり前」の歴史が長く、毎日1時間くらいなら「少ない」とする場合も多くあるからです。

例えば、毎日1時間×出勤20日=20時間/月。月20時間くらいの残業を少ないと思えるかどうかは人によると思いますが、保育業界を全国的にみると「少ない」といえるかもしれません。
もちろん求人票の中には「残業は平均1〜5時間以下/月」等というものもあります。

具体的な時間が書かれてあるものは、残業の少なさに自信があるか、あるいは書いてある時間から大幅に超えることが少ないと予想されます。
具体的な時間表記がない場合より、例え残業時間が多めでも具体的に書いてある方が誠実運営かもしれません。

「残業なし」も同じで、「勤務時間の後15分や30分はオーバーして当たり前、残業にカウントしないでしょう」という感覚の組織もあります。
「残業なし」の記述があっても、正確なところは入職前に確認しましょう。

<休日>「完全週休2日」と「週休2日」はまったく別もの

「完全週休2日」とは、毎週2日休みがあること。
「週休2日」とは、1カ月のうちに1回以上、1週間に2日休みがあること。
つまり「完全週休2日」なら1カ月で8日以上の休みになりますが、「週休2日」だと1カ月に5日くらいしか休みがないこともありえます。
言葉は似ていますが、内容がまったく違うので注意が必要です。

保育業界では、つい最近まで「4週6休」(1カ月に6日休み)がスタンダードでした。土曜出勤が隔週で、かつ振替休日がない場合は「4週6休」になります。
この場合、夏休みや年末年始休みでまとめて休みを取れるケースもありますので、「4週6休だから」とカンタンに検討候補から外さず、求人票の中のほかの休日数もチェックしてみてください。

「年間休日」とは、会社・組織が定める1年間の休日の数です。
これには有給休暇は含みませんので、有給休暇が取れればもっと休めることになります。

完全週休2日制で1年間では、2日×1年間52週=104日。
祝日が1年に15日あるので、104+15=119日。
これに年末年始や夏休みを加えると125日前後になりそうです。
この数字を目安に求人票の「年間休日」の数を見てみてください。

ちなみに、日本の労働者の平均年間休日は113.7日、最も多い金融系企業でも121.2日だそうです(「平成29年就労条件総合調査の概況」厚生労働省より http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/17/dl/gaikyou.pdf)。
保育業界の求人票でみかける「年間休日120〜125日」等は、多い方といえそうです。

<法定休暇・法定外休暇>「介護休暇」「子の看護休暇」は、園の規定になくても取れるもの

・休暇には大きく2種類あり、ひとつは労働基準法等で定められた「法定休暇」。もうひとつは、法律はなく組織や企業で定められた福利厚生である「法定外休暇」です。

「年次有給休暇(求人票では有給休暇)」とは、休んでも働いたのと同じ賃金が出る休暇のこと。法律で「一定期間勤続した労働者に対して、心身の疲労を回復しゆとりある生活を保障するために付与される休暇」とされている「法定休暇」です。

「有給休暇」は、働き始めた日から数えて6カ月で10日、1年6カ月で11日、2年6カ月で12日、3年6カ月で14日、4年6カ月で16日、5年6カ月で18日、6年6カ月以上で20日、取得できます。
ただし、1年のうちに8割以上出勤していることが条件になります。

パートやアルバイトも条件を満たせば規定の有給がもらえます。
詳しくは厚生労働省のサイトを参照ください。http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/faq_kijyungyosei06.html

「有給休暇」は付与された翌年まで繰り越すことができます。
しかし、2年以内に消化しないと権利がなくなってしまうので、気をつけてください。

「有給休暇」のほかにも法律で定められた「法定休暇」があります。
「産前産後休業」「育児休業」「生理休暇」「介護休業」「介護休暇」「子の看護休暇」「裁判員休暇」がそれで、組織でもうけられていなくても、労働者が請求したら必ず付与しなければならないものになります。

有給休暇以外の法定休暇が有給になるかか無給になるかは組織によりますが、通常は無給になることが多いようです。
ただし、「産前産後休業」は健康保健に入っていれば給与の約66%の手当が、「育児休業」は雇用保険に入っていれば給与の約50%の給付金がもらえます。

「法定休暇」は国が定めているもので、どこの企業や組織に所属しても、労働者が申請したら付与されなければならないものです。
(申請しないともらえないので、ぜひ申請してください。)
労働者が所属している企業や組織に申請したのに法定休暇がもらえないという場合は違法になり、罰則があることもあります。

「特別休暇」は、法律の定めがない「法定外休暇」。企業や組織が定める福利厚生のひとつです。

特別休暇が有給か無給かは企業や組織が決められ、通常は無給のものが多いようです。

冠婚葬祭時の休暇(慶弔休暇)や病気休暇のほか、最近では誕生日休暇やリフレッシュ休暇等、組織ごとにいろいろな休暇があり、人気を集めています。

【保育業界ポイント】

有給休暇があっても実際に使えなければ意味がありません。求人票に「高い有給取得率」や「有給取得率80〜100%」等と書いてある方が安心です。
ちなみに、厚生労働省の調べによると日本の労働者の有給取得率は平均49.4%(「平成29年就労条件総合調査の概況」厚生労働省よりhttp://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/17/dl/gaikyou.pdf)。
どこの業界でもなかなか厳しい現実のようです。

保育の求人では「有給休暇取得率80〜100%」というものも少なからずあります。
せっかく世間平均よりいいものがあるのですから、そこは押さえておきたいですね!

また、保育園で「土日祝休みの完全週休2日制」はめったにありませんが、幼稚園ではみかけることがあり、夏期休暇等も長めに設定されていることがあります。
しかし近年は幼稚園でも預かり保育をしていたり子ども園の形になっていたりするところもあり、求人票から見るお休みの多さにはあまり差がない印象です。

保育園だから、幼稚園だからというより、運営する組織の体制や考え方、また人が足りているかどうか等で、お休みの多さは決まってくるでしょう。

求人票を深読みするなら、「休日が多い」というのはある程度スタッフが確保されていて、かつ運営側が働く人を大切にしようとしている姿勢のあらわれともいえます。
「休日が少ない」場合は、人が十分には足りていない・・・という予測は立つかもしれません。

このご時世ですから、もちろん人が足りていなくても保育内容がいい園や優しい園長先生の場合もたくさんあります。求人票で気になるものがあったら、一度は園に足を運ぶのがオススメです。

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