子どもの生きる力を育てるほめ方、叱り方⑤ 保育士自身の自己肯定感を育てるためにできること

546秒で読めます

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毎日さまざまな子どもたちと接する中で、上手なほめ方や叱り方がわからず、困っていませんか?
「子どもが言うことを聞いてくれないけれど、もっと厳しくしないとダメ?」「ほめるといいというけれど、悪さをする子をどうほめていいかわからない」など、悩みを抱えている保育士さんも多いようです。
そこで累計480万部を超える人気書籍「子育てハッピーアドバイス」シリーズ(1万年堂出版)の著者であり、子育てカウンセラーで心療内科医の明橋大二先生に、保育の現場での子どものほめ方、叱り方のコツを伺いました。
5回シリーズの最終回となる今回は「保育士自身の自己肯定感を育てるためにできること」がテーマです。

取材・文/野中真規子

PROFILE:
明橋大二(あけはし・だいじ)先生

大阪府生まれ。京都大学医学部卒業。子育てカウンセラー・心療内科医。国立京都病院内科、名古屋大学医学部付属病院精神科、愛知県立城山病院を経て、真生会富山病院心療内科部長。児童相談所嘱託医、NPO法人子どもの権利支援センターぱれっと理事長。専門は精神病理学、児童思春期精神医療。著書は「子育てハッピーアドバイス」シリーズなど多数あり。全国での講演会や、テレビ、ラジオ、新聞などメディア出演でも活躍中。
★オフィシャルサイト http://www.akehashi.com/

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「ほかの子とちがう」と悩まないで~ひといちばい敏感な子(HSC)を育てる親へのメッセージ」
日時: 2018.05.14(月) 10:00~12:00
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子どもや親御さんと同じく、自分自身の自己肯定感も育みたい

第一回~第四回でご紹介したように、子どもや親御さんの自己肯定感を育むことを意識して取り組んでいると、保育士さん自身がしんどくなることもあります。なぜしんどくなるかというと、保育士さん自身が実は、決して自己肯定感が育まれているとはいえないことも多いからです。

日本の子どもの自己肯定感の低さは、ここ10年間変わっていません。10年前に調査を受けたあたりの人たちが、今20代になっていますから、この世代の若い保育士さんの自己肯定感は、決して高くないと言えるでしょう。

さらに世の中では今「保育の質の低下」などといったことがメディアで騒がれていますし、親御さんからのクレームなどを受けたりして、自信をなくしてしまっている保育士さんもいるかもしれません。

実際は、多くの保育士さんは、十分がんばって仕事をしていると思います。

保育士さん同士で声をかけたり、園長、管理職がフォローしよう

しかし、真面目な人ほど自分を追い詰めてしまう傾向があります。子どもや親御さんの自己肯定感を育むためにも、保育士さん自身の自己肯定感を育むことは、とても重要です。
たとえば保育士さんどうしで声をかけあったり、園長先生や管理者がフォローすることが必要です。

たとえば、子どもをつい感情的にきつく叱ってしまうという保育士さんは多いものです。実は若い保育士ほど、意外と子どもに厳しい人がいます。とくに自分自身の親も保育士さんだった場合、厳しく育てられたことが多いため、自分も子どもに対して厳しくなる傾向があります。

そういう保育士さんに対して、「そんなに叱っちゃダメでしょ」とか、「もっと優しくできないの?」など言うと、その保育士さんは、子どもに対して余計にイライラして叱るようになってしまいます。自己肯定感が十分持てていない上に、自分が責められると、その感情を身近にいる子どもにぶつけてしまうのです。

ですから指摘したり、叱るようなことはやめて、まずは「この人も叱られて育ったのかな」「自己肯定感が本当は低いのかもしれない」と想像するといいでしょう。そこでもう一度、その保育士さんの自己肯定感を育てるために今のがんばりをほめましょう。「⚪︎⚪︎先生の作った飾り、子どもたちが喜んでいるね」「⚪︎⚪︎先生が笑っていると、子どもたちもうれしそうだね」などと声をかけてあげるのです。

人は、自分がたくさんほめられると、必ず人をほめるようになります。子どもに対しても叱ってばかりの保育士さんも、自分のことをほめられるうちに、子どものがんばりを、心からほめることのできる保育士さんになるでしょう。

自分で自分自身を認めるトレーニングもやってみよう

くわえて、自分で自分のことを認めるトレーニングをするのもいいですね。
多くの保育士さんは、この大変な時代に、ある意味家庭の子育てを肩代わりしながら、毎日子どもたちに振り回されてがんばっています。子どもの対応をするだけでも大変なのに、それだけでなく保護者の対応にも追われているでしょう。日々、神経をすり減らしながら仕事をしている人も多いはずです。

ですから、もっと自分をほめていいのです。
具体的には、子どもや親御さんに向けて行ったことを、自分自身にやればいいでしょう。

まずは今、自分ができていることをみとめることです。
自分に対して「もっとこうするべき」「私はここがいけない」などと責めている場合は、自分に対する基準が高すぎるので、少しゆるめるといいですよ。
もちろん、大切な仕事ですから基準をゆるめすぎるのもいけませんが、高すぎる基準を見直す意識を持ちましょう。

また周りの保育士と自分を比べることはせず、今の自分を以前の自分と比較して、成長を感じてみてください。
必ず、以前はできなかったことができるようになっていたり、子どもたちとより仲良くなれていたりなど、成長していることがあるはずです。
そうしたことをみとめるクセをつけて、ときには自分にごほうびをあげてもいいですね。

保育士さんは、もっとその仕事の重要性を世間に認めらえるべきですし、世間的にほめてもらっていい。社会全体も、保育士さんをもっと大事にしていかないといけない、と考えています。

今回でこのシリーズは終了です。お読みいただきありがとうございました!

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