【年齢別】子どものしつけ・接し方のポイントとは?【2~3歳児の場合】

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保育園の役割のひとつに、子どもに対人関係のルールや生活習慣を教えていく「しつけ」がありますが、そのために厳しい口調で諭したり、できないことを叱ったりするのではなく、子どもがわかりやすいように、年齢ごとに適した教え方をすることが大切です。
累計490万部を超える人気書籍「子育てハッピーアドバイス」シリーズ(一万年堂出版)の著者であり、子育てカウンセラーで心療内科医の明橋大二先生に、年齢別の子どもの接し方について伺いました。
5回シリーズの第三回目となる今回は「2〜3歳の子どもとの接し方のポイント」をご紹介します。

取材・文/野中真規子

 

PROFILE:
明橋大二(あけはし・だいじ)先生

大阪府生まれ。京都大学医学部卒業。子育てカウンセラー・心療内科医。国立京都病院内科、名古屋大学医学部付属病院精神科、愛知県立城山病院を経て、真生会富山病院心療内科部長。児童相談所嘱託医、NPO法人子どもの権利支援センターぱれっと理事長。専門は精神病理学、児童思春期精神医療。著書は「子育てハッピーアドバイス」シリーズなど多数あり。また、一般社団法人HATの共同代表として、自己肯定感を育む子育てを広めるため、支援者育成に当たっている。
明橋大二オフィシャルサイト

保育園で気持ちを表現できないと、後になって心の問題が出てくる

「魔の2歳児」を過ぎて、3歳になっても、やはりかんしゃくを起こしたり、友達を叩くなど激しく主張をする子どもは少なくありません。
しかし、それをただ抑え込むのではなく、気持ちをきちんと出させるということが、子どもの自己肯定感を育てる上で、とても大切です。
気持ちに共感してもらうことで、子どもは「先生にかんしゃくを起こしても、見捨てられることはない」「自分は守られているんだ」という絶対的な安心感を得ることができ、それが自己肯定感というベースをつくることにつながります。

逆に、この時期に自分の主張をあまりせず、手がかからない子は、大きくなってから心のトラブルが出てくることも多いのです。たとえば小学校に入って急に赤ちゃん返りをするケースなどは、幼児期に家庭や保育園で気持ちをうまく表現できていなかった子どもに多く見られます。
特にこの時期は弟や妹が生まれる子どもも多く、たとえばお母さんが切迫早産で入院してしまったり、産後にあまりかまってもらえなかったりなどのことがあると、その子どもは気持ちをうまく発散できず、後で反動となって症状が出てくることがあります。
ですから家庭でそのような様子がみられたら、保育園で気持ちを爆発させるようなことも出てくるかもしれませんが、気持ちを受け止めてあげて見守りましょう。

普段は気持ちを押さえ込んでいる子どもが、何かのことで泣いたり、怒ったりするようなことがあれば「○○ちゃんでもそうやって気持ちを出すことがあるんだね。先生は安心したよ。これからも悲しいと思ったら泣いたり、いやだとおもったら怒ったりしていいんだよ」と声をかけましょう。すると子どもは「気持ちを出してもいいんだ」と理解し、素直に気持ちを表現できるようになります。

いうことをきかない状態こそ、子どもが保育士を信頼している証拠

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子どもが気持ちを出すことによって、保育士さんの負担は増えるわけで大変です。しかし、子どもがきちんと気持ちを表現できているということは、それだけ保育士さんを信頼できているということだと思います。

たとえば同じ保育園でも、先生の号令がかかると、子どもたちがビシッと並べるようなクラスと、子どもたちがそれぞれ泣いたりわめいたりして先生のいうことをなかなかきかないクラスがあったとします。
一見前者のほうがいい感じがしますが、2〜3歳であれば、私は実は後者のほうがいいクラスだと思います。これが本来子どもの自然な姿で、保育士さんを信頼できているからこそ、子どもたちが気持ちを出せている証拠だからです。

ルールやしつけばかりを優先して、気持ちをおさえつけられていると、後で必ず反動が出てくるものです。
だから後者のようなクラスの保育士さんは「うちのクラスはうるさくて」「私のいうことを全然きかない」と悩むのではなく「子どもが気持ちを出せているのだから、これでいいのだ」と自信をもってください。

トラブルがあったときは、子どもの気持ちに共感し、言葉で表現することを教える

子どもが気持ちを出せるようにしてあげることは大切ですが、いうことをきかない状態を放置していていいというわけではありません。
トラブルがあった時には、頭ごなしに叱るのは絶対にやめましょう。子どもを止めて目を合わせて伝えます。
まずは子どもの気持ちをくんで、共感してあげましょう。
この年齢なら言葉がしっかりわかるので「〜と言われて悔しかったんだね。でもお友達を叩くのではなく『〜と言われるといやなんだ』って、言葉で言おうね」などと気持ちを代弁して、表現方法を教えるといいですね。

すると子どもは言葉で伝えることを覚え、少しずつ上手に言葉でコミュニケーションをとれるようになっていきます。

この時期のかんしゃくや激しい主張は、気持ちを言葉にできないから起こるものでもあります。
改善するには、気持ちを言葉で表現できるように教えることが大切です。そうして子どもの気持ちに共感しながら、言葉で表現できるように教えているうちに、ほとんどの子どもは4〜5歳で問題行動がおさまってくるものです。
ぜひ、大きな気持ちで子どもを見守ってあげるようにしてくださいね。

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