【年齢別】子どものしつけ・接し方のポイントとは?【3~5歳児の場合】

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保育園の役割のひとつに、子どもに対人関係のルールや生活習慣を教えていく「しつけ」がありますが、そのために厳しい口調で諭したり、できないことを叱ったりするのではなく、子どもがわかりやすいように、年齢ごとに適した教え方をすることが大切です。
累計490万部を超える人気書籍「子育てハッピーアドバイス」シリーズ(1万年堂出版)の著者であり、子育てカウンセラーで心療内科医の明橋大二先生に、年齢別の子どもの接し方について伺いました。
5回シリーズの第四回目となる今回は「3〜5歳の子どもとの接し方のポイント」をご紹介します。

取材・文/野中真規子

 

PROFILE:
明橋大二(あけはし・だいじ)先生

大阪府生まれ。京都大学医学部卒業。子育てカウンセラー・心療内科医。国立京都病院内科、名古屋大学医学部付属病院精神科、愛知県立城山病院を経て、真生会富山病院心療内科部長。児童相談所嘱託医、NPO法人子どもの権利支援センターぱれっと理事長。専門は精神病理学、児童思春期精神医療。著書は「子育てハッピーアドバイス」シリーズなど多数あり。また、一般社団法人HATの共同代表として、自己肯定感を育む子育てを広めるため、支援者育成に当たっている。
明橋大二オフィシャルサイト

正しく、公平な行動をしたい気持ちが芽生えてくる3〜5歳

3歳をすぎた頃から、子どもは少しずつルールを守れるようになっていきます。
順番を守るとか、友達に優しくする、みんなで協力して何かをするなど、正しく、公平な行動をしたい気持ちが芽生えてくる頃でもありますので、何が正しいことなのか、どんなルールがあるのかを少しずつ教えるといいでしょう。

ただ、この年齢でもまだまだその時々の気分などによって、落ち着いて友達と協力しながらルールを守れる日もあれば、ルールをわざと破って保育士さんに反抗する日もあったりと、できる程度は日によって大きく違ってきます。

保育士さんからすると、ルールを教えたはずなのになぜ?と気を揉むこともあるかもしれませんが、温かく見守りましょう。

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ルールを守れないときは、1人に向けて、短くわかりやすく伝えること

ルールを守れないからといって、やはり大声でヒステリックに叱ることは厳禁です。

子どもは大声で叱られると、頭が真っ白になってしまい、その内容を理解するどころか「先生が怒っている」「自分のことを嫌っている」と感じてしまうのです。
また子どもの中には、音などの刺激に対して人一倍敏感に反応するHSC(ハイリーセンシティブチャイルド)と呼ばれる子も5人に1人くらいの割合でいることがわかっています。

ですからクラスのみんなの前で、一人の子どもを叱った場合、他の敏感な子にまで「自分も叱られている」と、ひどく恐怖を感じさせてしまうことにもなります。
そうしたことも考えて、ルールを守れない子どもを叱るときは、全員の前で叱るのではなく、その子どもをそばに来させたり、保育士さんが近くに行って伝えればいいのです。

また、叱るときは、簡潔にきっぱりと、が基本です。
長く、くどくどとお説教をしても子どもは聞く耳を持ちませんので意味がないでしょう。

たとえば「順番を抜かしたら、お友達が悲しむよね。ちゃんと並ぼうね」「廊下を走るとあぶないから、歩こうね」など、いけないことにNGを出すとともに、どうしたらいいのかも教えましょう。
「〜しちゃだめ」とNGを出すだけでは、子どもはどうしたらいいかわからなくなってしまいます。できればなぜその行動がいけないのかといった理由も含めて教えるといいですね。

こうしたルールは、日頃から何度も言い聞かせていることかもしれませんが、根気よく伝えてこそ、子どもは相手の気持ちを理解したり、ルールを守れるようになったりするものです。

子どもにとって、一番のほめ言葉「ありがとう」を言おう

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子どもがルールを守れたときには、思い切りほめましょう。
一番のほめ言葉は「ありがとう」です。

子どもに「〜しなさい」「〜しなきゃだめ」などと指示をしても、やる気にならないことがありますが、そういうときにも「ありがとう」「助かった!」「先生うれしいよ」といった感謝の言葉をかけることで、子どもの行動の方向づけをすることができます。

たとえばクラスの部屋に、おもちゃが散乱していて、子どもがなかなか片付けないとき。そういうときは、まず先生が片付けて、子どもがちょっと手伝ったときにすかさず「ありがとう」「先生助かるよ」という言葉で方向づけていきましょう。
これを繰り返していると、子どもは「自分の存在は、先生の役に立つんだ」「先生を喜ばせることができるんだ」と感じ、自己肯定感がより育まれます。

逆に、「片付けなさい!」「どうしてできないの」などと叱ってばかりいると、そのときは言うことを聞くかもしれませんが、子どもはそのうち先生の顔色ばかりを見るようになり、やがて「自分は先生を不機嫌にさせる存在だ」「自分なんかいないほうがいいんだ」などと感じて、自己肯定感が低くなります。

時間はかかりますが、「ありがとう」「助かるよ」といった感謝の言葉をかけながら、子どもの心の底からのやる気を引き出せるよう、工夫してみてください。

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