2018.10.18

特集企画

給食は完食しなくちゃいけないの?

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Profile ゆきせんせい

現役保育士。元は一般事務員だったが、3人の息子が大きくなったのを機に一念発起、資格を取り、保育士として働き始める。毎日、保育園の子どもたちからは元気を一杯もらって、保護者のパパやママたちには子育ての先輩としてエールを送っている。

 

保育園では、給食を全部食べることを完食といいます。連絡帳に「完食」って書くのは保護者も喜ぶし、先生たちもほぼ必死で食べさせます。
給食は栄養士が必要な栄養素を計算してありますので子供に必要な栄養をとることができます。
からだの成長のために必要な栄養素ですからもちろん全部食べられることが好ましいです。
でも、必死に口に押し込むようにして食べることに疑問を感じます。

子どもは食べる必要があるものを見分けることができる
子どもは自分の体に必要なものを見分ける力を持っています。これがないと生まれてすぐ死んでしまうからです。
人間の体は、炭水化物・脂肪・タンパク質のいずれであってもエネルギーにすることができます。でも脳がエネルギーにできるのはぶどう糖だけです。体はエネルギーをためておくことができますが、脳はためることができないのでぶどう糖の量が減ると脳の機能が落ちてしまいます。
さらに人間はほかの動物に比べて極端に脳が大きいため、炭水化物を多量に必要とします。そのため、ごはんやパン、麺類や甘いものを好むのです。

そして、苦手な子が多い緑の野菜。ピーマンに代表されるような色が濃く香りの強いものを嫌います。
これも理由があって、緑色のものはまだ生育途中で食べられない色です。この時期に虫や動物が食べてしまうと種を残すことができないので、多くの植物はこの状態の時、毒があったり苦いものが多いのです。
そしてすっぱいものや苦いものは腐っていたり生育途中だったりするので、酸っぱいものや苦いものを好まない傾向にあります。強いにおいは危険を感じるので避けるのです。

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以上の理由から、好きでないものを無理やり口に押し込むのは、ナンセンスだなと感じます。
でも、子どもが完食したと伝えると、保護者はすごく喜びます。そのことを知っているから子どもも全部食べられるととてもうれしそうな顔をするのです。

完食することにそんなに魅力があるのであれば、押し込むような方法ではなく食べられる方法を考えましょう。
一つ目は、とにかく少なくする。
シルバニアファミリーの食器にのせられるほど小さく切ったおかずをさらにのせ、全部食べられるようにします。
とにかく小さいサイズだと、見た目も圧迫感が少ないですし、口に入れても味がするほどの量がありません。何かわけがわからないので、とてもハードルが下がるようです。こうやって負担を下げ食べられたときに、ものすごく褒めます。全部食べられたことがすごいこと、先生はとっても嬉しいこと、お母さんに伝えようね、といってほめると、とても喜びます。この時、少し食べられたからといってすぐに量を増やしてしまうのはよくありません。もう少し食べてみようかなと思うようになってから徐々に増やしていけば、あとはもう自分で食べられるようになります。

もう一つは、なぜこれを食べたほうがいいのかを説明するということです。小さな子は「大きくなりたい」という気持ちが強いです。ですから、苦手なものを食べられるようになることが大きくなるのに重要だということを説明するのです。
小さいからわからないと思って優しい言葉で説明するよりも、難しい言葉を使って説明したほうが子供はうれしいようです。多分、大人扱いしてくれたと思うのでしょう。
この時、男の子は「大きくなる・強くなる・背が高くなる・力持ちになる」といった言葉をつかうと効果がありました。
一方女の子は「かわいくなる・きれいになる・色が白くなる・素敵になる」といった言葉を好みます。小さくても性差があるんだな~と感じます。

食事は一日3回あります。この時間が苦痛なものになってしまうのはとてもかわいそうです。楽しい食事であることが一番だと思っています。そしてさらに完食の喜びを感じられるような時間になるように、工夫していきたいものだと思います。

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