2018.10.18

特集企画

保育士がいなくなる日

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恐れていたことが起きました。
横浜にある保育園で、保育士が確保できないために4月からの預かりができないというのです。
今回は認可保育園でしたので、行政で何とかどこかに入園できるようにしてくれるのだそうです。しかし入れればいいというもんではありません。
まず、通いやすさや保護者の考えと保育方針が合う保育園という理由で入っているので、どこの保育園でもいいわけではありません。また、平日大半の時間をすごす保育園では、慣らし保育を経て保育士やお友達、保育園という場所にも慣れて落ち着いて過ごすことができるようになったのに、ほかの場所に行けばまた不安な日々を過ごすことになります。
さらに、保育園によって準備品にも違いがありますので、園服やお道具などを買いなおす必要があったりと、様々な問題が出てきます。
なぜこのような事態になってしまったのでしょうか。

認可園の保育士数最低基準は国で決められています。
0歳児 おおむね子ども3人に対して保育士1人
1,2歳児 おおむね子ども6人に対して保育士一人
3歳児 おおむね子ども20人に対して保育士一人
4,5歳児 おおむね子ども30人に対して保育士一人

この基準に満たなければ、保育園を運営することができません。
しかし、毎年実は多くの保育士が辞めていきます。

保育士が辞める理由
理由1:上司との人間関係
理由2:同僚との人間関係
理由3:業務量の多さ
理由4:残業の多さ
理由5:持ち帰り仕事の多さ
理由6:待遇の悪さ
理由7:保護者とのトラブル
理由8:給与の低さ
理由9:保護者トラブル
・・・・・

上げれば数限りなく出てきます。

保育士間・保護者との人間関係はやはり大きな理由の一つです
女性の多い職場ですので保育園では情報が伝わるのがはやいです。
保育士は、休憩をとれないことが多いですが、子どもたちが昼寝をしている間に日誌を書いたりしているときに、保育士同士でよく話します。また、ラインなどで日々相談したり、お休みにランチや飲みに行くこともよくあります。最初は仕事の話をしているうちにいつの間にか上司との人間関係の話になったりすることも多いので、嫌なことは保育士間で共有しています。
例えば、相手によって対応を変えている、えこひいきをしている、好き嫌いがはっきりしていているといったことは、すぐつたわって「あの園長先生は信用できない」と退職の理由になってしまいます。

保育士 求人

また、業務が多すぎるというのも悩みの種です。
実際幼稚園から子供園になったところでも同じような悩みを持っている方が多くいましたが、子どもが朝から夜までいる保育園では、一日の保育の報告の書類や、計画、明日の準備、行事の準備などをする時間がないのです。
時間が足らないのであれば努力や習熟することで時間内にできる可能性がありますが、そもそも時間が存在していないのですから、必ず残業や持ち帰り仕事になります。短期間であれば頑張れることもずっと続くと、気持ちが折れてしまうことがあります。

給与の低さや待遇の悪さは、本当につらいものです。
保育士の給料が低いというのは有名な話です。ほかの職種でも給料が安いという話を聞くことはありますが、保育士の場合は生活ができないレベルです。
自宅から通うのでなければ保育士を続けるのはまず難しいです。
さらに、会社勤務であれば支給されることが多いボールペンや消しゴムなどの文具、はさみや定規やハンコなどの事務用品、制作などでつかう色画用紙や折り紙に至るまで、保育士が自腹を払って準備している園が多くあります。保育園に提出する書類や楽譜などのコピーまで、園のコピー機を使わせてもらえずコンビニでやってくるようにいわれた時には耳を疑いました

保育士の一年は4月から始まって3月まで。担任を持っているので、保育士が退職するときはできるだけ3月末になるようにしようと考えています。それまでに様々な問題があったときに辞めたいという話をしているのを何度となく聞いてきました。
もちろん、感情の行き違いや、忙しすぎて余裕がなくついつい語気が荒くなってしまったりといった一時的な理由で辞めたいなと思うこともあります。
でも、キチンとコミュニケ―ションがとれていれば、やっぱりこの職場はいいな、もっと頑張りたいなと思いなおすことができます。
それが、キチンとコミュニケーションが取れていない職場では「嫌な気持ち」「忙しくて疲れた」「怒られてばっかりで報われない」といった気持ちが鬱積してきて心の中に澱のように沈殿し、ぬぐい切れなくなって退職に至ってしまうのです。

アルバイトのほうがましだといわれる給料、女の子なのにあり得ないといわれるほど遅くまでの残業、家事ができないほど疲弊する労働、そんなことが横行していては保育士を続けることができません。
保育の仕事が好きで保育士をしたいと思って働いている保育士が続けられる環境。それは何も特別なことではなく、ごく普通に働ける環境を望んでいるだけなのです。

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