保育士に話題のモンテッソーリ教育~モンテッソーリの保育園での働き方~

モンテッソーリ教育は欧米の教育メソッドとして日本でも高い人気を誇っています。モンテッソーリ保育園では、園児が自らやる気にさせる環境を用意し、グングン伸びる子を育てることでも注目を集めています。最近は、モンテッソーリ教育のメソッドを取り入れた保育園も増えています。今回は、モンテッソーリ保育の歴史や背景、通常の保育園との違いについてご紹介いたします。

モンテッソーリ教育とは

モンテッソーリ保育 とは

モンテッソーリ教育は園児が自ら自分を成長させる能力「自己教育力」を最大限に発揮できるような環境やおもちゃや本などの教具を使って、教育期間が終わっても自立した人になるように育てる教育になります。

モンテッソーリの歴史

モンテッソーリ教育は、イタリア初の女性医学博士で脳科学者でもあったマリア・モンテッソーリが20世紀初頭に提唱した教育法です。彼女は子どもを観察することで、子どもの世界には大人の世界とは違った感覚や学びがあり、子どもと大人は全く違う世界を生きていることを発見しました。

モンテッソーリができた背景

子どもが言うことを聞かない、イヤイヤばかりしている、何かにこだわる、同じ行動を繰り返すなど、親が理解できない行動の裏には、子どもなりの理由があるのです。

子どもは何度も失敗を繰り返すことで学び、できることを増やしていきます。そのため、モンテッソーリ教育とは子どもの持っている能力を信じ、個々の特性を活かして、その能力を伸ばすためにその子に合った環境を用意して見守る教育です。

子どもに「やりなさい!」という押し付けをせずに、子どもが自分でやりたいことを突き詰めて、やりたいことが実現できた達成感で個々の才能を伸ばしていきます。

モンテッソーリ教育に深く関わる子どもの敏感期とは?

モンテッソーリ教育を実践するためには、まずは子どもの敏感期について知る必要があります。

子どもは1歳半から3歳くらいになると、ある物事に対して非常にこだわるようになります。私たちはその時期を“イヤイヤ期”と呼んでいます。

この時期の子どもには自分の中に秩序やルールが存在します。そして、この秩序やルールに外れたとき、泣いて抵抗するのです。

この時期のことをモンテッソーリ教育では“敏感期”と呼んでいます。

敏感期の園児をしっかり観察する

子育てで大切なことは、まずは子どもをしっかりと観察することです。
今、どんなことに興味があり、何がしたいのか、何に興味があるのかを知るようにしましょう。
先ほど言ったように、1歳半~3歳の保育園児は身につけた順序に強いこだわりを見せます。

大人から見ると効率が悪くても、園児は自分で決めた順序の通りに進まないと混乱してしまいます。そのため、園児がモタモタして、時間がかかってしまうからといって、急がせるのはNG。

子どもが好きなように見守っておく

 園児はこの順序のこだわりを経て、段取りより物事を処理する能力が身につきます。保護者や保育士園児のこだわりを認めてあげることが大事です。また、順序だけでなく習慣や場所にこだわりを見せる園児もいます。園児の習慣を無視せず、場所へのこだわりを見守っていくようにしましょう。

子どもを観察すると、公園に出かけたときなど園児一人ひとりにそれぞれあるルールが存在することがわかるでしょう。例えば、石を集めて、大きいものと小さいものを分けたり、色別に並べていたり。

 そういったこだわりも、敏感期の特徴です。自分でルールを構築していく時期なので、危険がなければ保護者や保育士なども大人は見守り、園児の好きなようにやらせましょう。

モンテッソーリ教育の保育園の特徴

イヤイヤ期の園児を「ダメッ」叱ることは逆効果。
園児は自分がやりたいのに、やらせてもらえないと反抗してしまいます。大切なのは園児の気持ちを受け入れることです。「ダメ」と叱る前に「やりたかったのよね」と理解を示し、「でも、今はできないのよ」と、園児の気持ちをすくいとることがポイントです。
 モンテッソーリ教育は大人中心ではなく、子供中心の世界に成り立っていて、大人がサポート役に回ります。

また、モンテッソーリは縦割り教育なので、年長の子が下の子にいろいろと教えているんです。そのため、1人っ子でも園では兄弟がいるような環境が整っています。

モンテッソーリ保育園が実践していることを年齢別にご紹介

モンテッソーリ教育では、園児の能力を伸ばすために手を動かしたり、教具など使うことを推奨しています。

0歳の赤ちゃんには指先を使う遊びがおすすめ。
ボールなどをつまんで落とす遊びが1番人気です。

1歳くらいの子はスプーンやピッチャー、トングなど3本指を使ってものを移す作業に夢中になります。
2歳になるとビーズ穴に糸を通すことができるようになって、3歳になるとドライバーを使うことも覚えます。
4~5歳の子には先が尖っていない毛糸針を使って、縫い刺しを教えます。ビーズに糸を通す段階を踏んでいるので、縫い刺しもスムーズに覚えます。
6歳になると刺しゅう針を使いこなして、刺しゅうを卒業制作できるほどに手先が器用になります。

 このように、モンテッソーリ教育の保育園では園児たちの成長を助けるような環境を整えています。モンテッソーリ教育を受けた園児たちは、自分でやりたいことが見つけられるようになります。

保育園の現場にモンテッソーリ教育を取り入れるコツ

モンテッソーリの保育園でなくても保育士が実践できることは、園児に声をかけすぎないようにしましょう。どんな園児にも、自分でできる能力が備わっています。まずは子どもを観察し、見守り、適切なタイミングを見計らって声をかけましょう。

 余計な口出しや手出しをせず、子どもの行動を温かく見守り、子どもの能力を伸ばすために、保育士など大人が少し手助けするというスタンスでいることが大切です。

 

モンテッソーリ保育園で働く保育士のメリットとは

ここでは、モンテッソーリ教育を実践する保育園で働く保育士さんにとってのメリットを紹介します。

 園児たちだけでなく、保育士さんにも良いことはあります。

モンテッソーリ保育園ではいじめが起きにくい

 モンテッソーリ教育では、子どもの個性を伸ばすことを重要視します。個人の意見を尊重することによって出る杭が打たれない環境になるため、一般的な日本の教育環境よりも、モンテッソーリ教育を採用している教育現場のほうが陰湿ないじめが起きにくいです。

 子どもなので正面からぶつかるケンカは起きますが、いじめの問題について頭を悩ませる必要が少ないのは魅力的です。

モンテッソーリ保育園は労働環境がいい

 モンテッソーリ教育を子どもに受けさせる親は、収入が多く、教育熱心である場合が多いです。子どもの教育にお金をかけてくれるので、保育園の収入も多くなり、ひいてはそこで働く職員の給与も高くなります。
 給与が高ければストレスレベルが低いのでむやみに周囲を攻撃する人が減って、人間関係も良好になるでしょう。保育施設の設備にもお金をかけられるので、快適かつ効率的に仕事を進めることができます。

 その分だけ保育に要求されるレベルは高いですが、いい条件と整った環境で仕事をすることができる点がメリットです。

モンテッソーリ保育園で働く保育士のデメリット

ここではモンテッソーリ教育を実践する保育園で働く保育士さんにとってのデメリットを紹介します。

モンテッソーリ教育についてしっかりと勉強する必要がある

 モンテッソーリ教育の保育園で働くには、当然のことながらモンテッソーリ教育の考え方や教育内容についてしっかりと理解する必要があります。決められた通りのことをこなすだけでなく、しっかりと理解した上で保育活動に活かさないと効果的ではありません。

モンテッソーリには多くの教具があり、そのひとつひとつに目的があります。
保育士がしっかりと理解した上で、子どものサポートをしなくてはいけません。
モンテッソーリ教育専門の資格も存在しており、資格の取得が必須かどうかは保育施設によりますが、勉強することは必要です。

縦割りクラスの運営が難しい

 前述のとおり、モンテッソーリ教育を実践する保育園では、年齢別ではなく縦割り保育の形をとっています。
そのため、同じ内容の説明をしても理解できる園児・まだ理解できない園児がおり、年齢別に指示の出し方や活動の教え方について工夫することが必要です。
ただし、これは教え方の面ではデメリットではありますが、慣れていく中で年上の子どもが年下の子どもの面倒をみている場面も多くみられるようになるので、その点では保育士の負担は少し軽減され、メリットともいえます。

教具の取り扱いに注意が必要

一般的に、子ども用のおもちゃは安全性を重視して本物に似せて作られています。しかし、モンテッソーリ教育における教具はそのままの本物であることが多いです。


例えば、アイロンや針など大人と同じものであったり、ガラスや陶器など割れてしまう素材を使った教具が多くあります。
そのため、教具を使う際には園児の自主性を大切にしながらも、危険のないように見守ることが必要です。

モンテッソーリ保育の主な保育内容

ここまで、モンテッソーリ教育のメリットや特徴などまとめてきましたが、最後に、これらの特徴を活かしてどんな保育ができるのかご紹介します。

縦割りクラス編成であること

 通常の年齢別のクラス編成の保育園と異なり、モンテッソーリ教育の保育園では、2歳半~6歳の年齢の異なる園児が同じクラスで活動します。 
 年上の子どもが年下の園児のお世話をしたり、反対に年下の園児が年上の園児を真似することで社会性・協調性を養うことが目的です。異年齢児がまとまっているクラスの担当をするので、一般の保育園とは違うやりがいを感じられます。

お仕事の時間があること

モンテッソーリで実践していることでも触れましたが、独特の教具を使った活動がモンテッソーリの特徴のひとつでもあり、これを「お仕事」と呼びます。

一般のおもちゃを使ったときに目的の定まっていない遊びとは区別され、自己形成の目的をもって教具に自由に取り組む時間が設けられているので、保育士さんが考えた遊びをみんなで行うというよりは、園児の遊びを見守る保育になります。

保育園の行事は控えめ

遠足・運動会・夏祭り・クリスマス会といった季節のさまざまな行事が行われますが、一般の保育園や幼稚園と比較して控えめな傾向にあります。これは、特別な行事よりも、園児の日常生活を大切にしているためです。行事の企画や準備が好きな保育士さんにとっては少し寂しいポイントかもしれません。

モンテッソーリ教育は、園児たちの社会性や協調性を養う縦割り保育に、さらに自立性を育てる要素が加わってますね。保育士さんとしてもさらに成長できそうな、モンテッソーリ教育を取り入れている園で働いてみませんか?

 

 

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